シェアリングエコノミーの家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」を運営する、株式会社タスカジ(本社:東京都港区、代表取締役:和田幸子、以下タスカジ)は、『男性の育休取得から見る、家事シェアの実態調査』を発表いたしました。
共働き世帯・子育て世帯の利用ユーザーが多いタスカジは、家庭内の家事分担の進み具合やジェンダー間の意識の違い、またそのために必要なことなど、家庭内の家事シェアについて毎年調査しています。
今回の調査では、2022年10月1日から開始した「産後パパ育休(出生時育児休業)」や、育児休業の取得によって、家事代行の利用後の効果に違いが出てくることがわかりました。
■ サマリー
・男性の育児休業の取得が進んでいる(2022年調査時は22%に対し、今回の調査では30%)。
・男性が育休を取得することにより、家庭内で円滑に生活するためのコミュニケーションやパートナーシップが進みやすい傾向にある。
・男性が育休を取得する家庭での女性の家事負担は71%、取得なし家庭の女性の家事負担は81%と大きな開きがあった。しかし、女性は約7〜8割もの家事をしており、ジェンダー間で家事負担における大きなギャップがある傾向は過去の調査から引き続き見られたが、家事代行の利用は女性の家事負担を約2割軽減する役割を担っている。
・家事代行の利用中にしていることとして、取得なしの家庭は「別の家事をする」傾向にあるが、男性育休取得の家庭は「子供との時間を過ごす」である。
家事代行を利用することで実質的な家事負担は軽減されますが、男性パートナーの家事へのコミットなしには、女性の家事負担は依然大きいままでした。家事代行を利用してもすべての家事を賄うことは難しく、家庭内での家事シェアなしでは、自分や子供との時間が作りにくい状況のままです。
今回の調査を通じて、共働きにおける課題として、男性の育児休業の取得は家事シェアの前進や女性の家事負担軽減に大きなインパクトがあることがわかりました。
2014年の創業からタスカジは一貫して家庭の家事の課題解決を行い、「世界中の家事をゼロにする」ためにさまざまな取り組みや発信を続けています。共働き世帯が約7割(*1)となっている現在、家庭内の家事シェアとともに、必要な人に家事代行などの外部へのアウトソーシングの認知と利用も高まっています。タスカジも家庭内の家事におけるジェンダー間のギャップをなくすことに貢献すべく、今後も家事代行についての情報の発信を続けてまいります。
(*1)厚生労働省「共働き等世帯数の年次推移」よりタスカジ算出:
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/20/backdata/1-1-3.html
「男性の育児休業取得の有無から見る家事シェア実態調査」結果詳細
■夫または男性パートナーの育児休業取得の有無
2022年10月1日から開始した「産後パパ育休(出生時育児休業)」の開始や育児休業制度によって、2022年調査時は22%だった男性の育児休業の取得が1年で30%になりました。
男性の育児休業の取得が増えるだけでなく、取得日数(累計)もこの1年で増えました。
2022年は「2週間未満」の取得が41%と半数近い割合でしたが、1年後の2023年調査時には、「2週間未満」24%、「2週間以上1ヶ月未満」28%、「1ヶ月以上3ヶ月未満」26%、「3ヶ月以上1年未満」21%と、それぞれが約4分の1ずつの割合となり、以前よりも長期間の取得が進んでいることがわかりました。
■家事代行の利用割合
家事代行の利用割合は、男性の育休取得をしていない家庭の方がわずかに多い傾向にありましたが、育児休業取得ありの場合でも81%と高い利用率を示しました。
育児休業取得による家事シェアの推進のみでは、家庭内の家事の担い手は不足することが推測されます。
■家庭内での家事分担や家事代行導入についての話し合い
育児休業取得ありの家庭の半数以上が、夫婦間で家事分担についての話し合いをしていました。また、家事代行の利用について「配偶者(パートナー)と相談している」割合が、男性の育児休業取得ありの88%に比べて取得なしの家庭は62%、また「誰とも相談していない」の割合が、取得ありは10%に対して取得なしは30%と、大きく差が見られました。
男性の育休取得は、家事シェアだけでなく、家庭内で円滑に生活するためのコミュニケーションやパートナーシップが進みやすい傾向にありました。
■女性ユーザーから見る、男性の育休取得別 家事負担割合の比較(家事代行利用前後で比較)
<女性ユーザー(*2)の世帯から見る、男性の育休取得別の家事負担割合の比較>
女性ユーザーの視点で家庭内の家事負担割合を見ると、家事代行の利用前においても、男性が育休を取得している家庭は、取得していない家庭に比べて女性の家事負担が約10ポイント低い傾向にあり、少し家事シェアが進んでいることがわかります。
また、男性が育休を取得している家庭の女性の家事負担は、家事代行利用前71%に対して利用後は58%、男性が育休を取得していない家庭の女性の家事負担は、家事代行利用前81%に対して利用後は63%と、家事代行の利用は女性にとって大きく家事負担が軽減できていることがわかりました。一方で、取得の有無にかかわらず、男性の家事負担は家事代行利用後もほぼ変わらない傾向にありました。
男性の育休取得は家庭内での家事シェアが進みやすいことがわかりましたが、そのような状況においても、依然として家庭内、特に女性の家事負担が大きい傾向にあることがわかりました。
(*2)依頼者としてタスカジのアカウントを持っている女性ユーザー
◾️タスカジの家事代行実施時間中にしていること
男性育休を取得していない家庭では「仕事、別の家事をしている」という比率が高く、男性育休を取得している家庭では、「子供との時間を過ごしている」という回答が、取得していない家庭と比較して突出している傾向がありました。
■家庭内の家事分担について必要だと思うこと
全体的な傾向としては2者間で大きな差はないものの、「夫婦間のコミュニケーションや信頼関係」は、やはり男性の育休取得ありの方が多い割合となりました。
■男性が育児休業を取得する際に重要なこと
夫または男性パートナーが育児休業を取得する際に最も重要なことの質問に対して、男性育休取得ありの人は「育児・家事など本人が取得する目的をきちんと把握すること」が34%と一番高く、一方で取得なしの人は「職場の取得への理解・促進」が31%と、取得の有無で大きな開きが見られ、男性の育児休業の取得可否については、置かれた職場環境が影響していることが伺えました。
*その他の意見(自由回答、一部抜粋・要約)
<男性育休取得あり>
・社会や会社、自身が、育児の内容を知ること。
・1人で育児することは、性別や年齢に関係なく負担が大きいことを理解すること。
・仕事に空白期間ができると仕事力が落ちることを恐れて、育児休業を怖がっている印象がある。どんな職業でも、専門性やスキルを意識して仕事をすること。
<男性育休取得なし>
・フリーランス・自営業でも、育休が取れる制度や周りからの理解
・積極的に家事育児をするという意識を持つ
・給与や評価に影響がないこと
<調査概要>
■調査名:「家庭内の家事シェア実態調査」
■実査時期:2023年12月14日(木)~2024年1月11日(木)
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:タスカジ依頼者ユーザー(配偶者・パートナー、子供と同居の家庭)※アカウントのみ取得も含む
■回答者数:196名(女性:182名、男性:13名、回答しない:1名)
※構成比は小数点以下第1位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
◎タスカジのサービスについて
多彩な家事スキルを活かして働くハウスキーパー(タスカジさん)と、家事をお願いしたい人とをつなぐ、シェアリングエコノミーの家事代行マッチングサービスです。家庭内の家事負担が女性に偏っていることが理由で、望む人生やキャリアを築くのが難しいという、日本中の多くの女性が抱える社会課題を解決するために立ち上げました。2014年のサービスリリース以来、一貫して家庭のあらゆる家事の課題解決をサポートしており、培った知見をもとに「家事はクリエイティブな仕事である」ことを発信するなど、「家事代行は高価、家事は単純作業」という旧来型の家事意識の改革にも取り組んでいます。また、コミュニティを活性化することによりサービスの質を向上させる「コミュニティ循環型サービス運営モデル」の先駆けにもなっています。利用者数約10万名以上。日経DUAL家事代行サービス企業ランキング2017 1位、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018 働き方改革サポート賞。
https://taskaji.jp
◎株式会社タスカジについて
社 名 : 株式会社タスカジ
設 立 : 2013年11月6日
代表者 : 代表取締役 和田幸子
所在地 : 東京都港区芝2-26-1 iSmartビル301
事業内容: 家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」の運営
URL : https://corp.taskaji.jp
<本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先>
こちらのお問合せフォームから、タスカジ広報担当までご連絡ください。